このブログを検索

2015年11月18日水曜日

雲井雅人サックス四重奏団第13回定期演奏会~ケネス・チェ氏を迎えて~

ドルチェ楽器アーティストサロン大阪

硬質な音で始まりました。
音が鳴ったとたん「ああ・・・」と胸を突かれて。
ぐーっと突かれっぱなしだったのがいつの間にか、空飛ぶ音楽の絨毯に乗ってふわふわと。
空を見つめながらいろんな事が心をよぎる。

どの曲でどんな風に気持ちが変化していったのか、残念ながら思い出せません。
絨毯にのったようにふわふわと過去のいろんな事を思い出していたのがいつのまにか、ふだん心の底にしまいこんで無視していた人生に対する自分の甘さがぐぐっと表に出てきて。苦しい。悲しい。

人に言われて、その時はなんでもなかった言葉が急に悲しく思い出されたり。
大丈夫だよ、そんなもんだよなんて思ったり。

約2時間、あっちこっちに心が飛び回って疲れて空腹を感じたころに最後の曲の最後の楽章。
奏者にとってはたぶんなかなか大変な曲なんだろうと思うんだけど、疲れてきた私にはすごく遠くから眺めて聴いてる感じ。
遠くに感じるカルテットメンバーの中でいちばん年上は雲井先生。
こんなことを言うと二度と口を聞いてもらえないかもしれないけど、
「先生すごいね。まだまだやるね」

感情が上下左右に揺れまくって家に帰ってテレビをつけたらフランスのニュース。
だんだん明らかになってきたらしい容疑者のプロフィールに、彼らの心と人生を思ってやるせない。何年も前の別の事件のジハーディストたちのプロフィールをふと思い出してせつない。
世界規模のホテルチェーンの更なる拡大のニュースを聞いて、繁栄の陰には涙している人もいるんじゃないかなどと。
戦争と平和。繁栄と貧困。安心と不安。
両方あるんだ。二つあるんだ。どちらかがあるからもう片方もあるんだ。

いろんな感情を掘り起こされた演奏会でした。