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2014年6月25日水曜日

和洋の再会

能楽とグレゴリオ聖歌と和洋の古楽器演奏会。
日本聖公会川口基督教会。

プログラムは、西洋の音楽が日本にやってくる前の時代から時間をなぞるように、和・洋の曲が交互にほとんど間をあけずアタッカのように演奏されました。
「和」の曲のときは能の舞も一緒に。

ルネッサンス音楽(?)と能楽はどちらも現代のワタシには不思議な雰囲気が感じられて大好き。
和洋もちろん違うんだけど、不思議さの感じはおんなじで交互に聴いても違和感なし。

なんだけど、バロック音楽(?)になったら、洋の方は途端に洗練されて優しくてなんか楽しい。
でも「和」の能楽は相変わらず不思議な雰囲気のまま。
どちらも素敵なんだけど、切れ目なく交互に聴いてるとなんだか混乱・・・
能楽とバロック音楽では感じる心の場所が違うような気がしました。
頭が混乱するんじゃなくて心が混乱する感じって初めてかも。
なんだかものすごくとまどいました。
能楽じゃなくて歌舞伎の音楽とかならまた違ったのかなあ・・・一緒かなあ・・・

それぞれの古楽器の響きの違いも歴然。
日本の管楽器ってほんと鋭い。心がキューッとなります。
西洋の古い管楽器は素朴で優しいけど、日本のは心の痛点を突いてくる感じです。
日本って実は過激なのかもね。

1920年建築の古い教会は、レンガと木で出来ていて照明も暗め。
座ってるお客さんや演奏者の影が長く伸びている中での演奏でした。
空調もあるのかないのか、蒸し暑くてじっと座ってても暑い・・・

2階席で聴いてたんだけど、天井が近くて、むきだしの木のハリがすぐそこにある感じ。
木の階段は灯りがなくて真っ暗。
足元が見えなくて手すりを持ってそろそろ昇り降り。

パイプオルガンの演奏もあったんだけど、音響のいいホールじゃないからかワタシの持ってたオルガンの音のイメージと違ってなんか素朴。

あー、ホントはこういうものなのかもーって思ったら、全ての相乗効果で不思議なタイムスリップをした夜でした。

チェロアンサンブル

相愛大学のチェロアンサンブル。相愛南港ホール。無料。

相愛大学のチェロは「相愛チェロファミリー」って言うそうです。
こんな名前をつけて3年目だそうです。パンフレットをもらいました。
ワタシは去年の演奏会からファンです(^^)/
何がいいって・・・先生(笑)!
それからプログラム!
去年はD・ポッパー。今年はP・トルティリエっていうヒトの曲が取り上げられてました。
知らなかったポッパーもすぐ好きになったんだけど、トルティリエも素敵。
ウッて思うイヤな感じ3歩手前の和音と、お洒落なリズムがいい感じ。


ブラジル風バッハ5番。
初めてナマで聴きました。ちゃんと歌あり。ナマで聴けてうれしい!
あー、他の人たちのアンサンブルでも聴いてみたい!ごめん!
でも、やってくれてありがとう!






グリーグ。
コントラバス2人も入れて、15人のラージアンサンブル。
チェロのラージっていいなあって思いました。
高音も低音もユニゾンもゾクゾク。
ワタシはサックスのラージアンサンブルをすることがあるんだけど、
サックスでもこんな風に聴こえてるかな?





学生さんの人数は少ないけど、その代わりここの演奏会では先生の演奏が聴けます。
今日は先生ふたりでデュエットを2曲してくれはりました。
ホント、相愛チェロはオススメです。

12月にはトルティリエを課題曲にしたコンクールがあるそうです。
去年はポッパーだったんですよ。
行けなかったんだけど・・・今年はどうかなーー

2014年6月22日日曜日

NANGA PARBAT


邦題「運命の山 ヒマラヤ」
テレビの録画。

山好きの友だちはみんな知ってるらしいこの映画をやっと観ました。
はじまりから高い所のシーンが多くて背筋がぞわわ。
ワタシ大丈夫かなと思ったけど・・・大丈夫でした。

雪山の映像は美しくて怖くて。
ストーリは強いんだけど静かに進んでいくから、ともすると地味・・・?
いえいえ、これを地味だと思うのは作られたドラマティックな刺激に慣れちゃってるってコトかもよ。

ワタシは感情表現過多気味な気がするから、突き抜けちゃってるのは圧倒されるけど、そこまでいってないのは自分のイヤラシサを見てるようで、なんだかどうもって思います・・

ほんとうのコトが淡々とただ進んでいくっていうのに勝るものはないかもね。

2014年6月15日日曜日

蝶々夫人


テレビの録画で。
二期会オペラ。東京交響楽団。指揮はダニエーレ・ルスティオーニ。

ヒドイハナシだと思ってたんだけど、いま観ると切ないハナシだねえ。
ストーリーが分かってても泣ける。テレビなのに泣ける。

今日のワタシの泣きポイントは、彼が帰って来たってわかった時に「うれしいわ」って歌うとこと、最後に子どもに向かって「私の天使」って歌うとこ。

今度はいつ観るかわかんないけど、次はどの場面でどんな風に思うかな。
港に着いた彼を一晩中待ってる時のシルエットで浮かぶ後ろ姿にハーモニーの合唱のところはテレビじゃなくてその場で感じてみたかったかも。

子役には小さい子どもが出てて。
こういう時いっつも思うんだけど、出演してる子どものココロはどうなってるんだろう。
素晴らしい音楽に触れられてプラスなのかな。
お母さんが死んじゃう役で、お芝居とはいえそのヒトに切々と訴えられてココロがどうかなっちゃわないかな。
もしワタシだったら後の方だと思うから、もうほんとすごく心配。

1回目のカーテンコールで出てきはった蝶々夫人は、命を絶った直後だったからか表情に凄みがありました。
それが、歌舞伎役者みたいな見栄を切ってるようにも見えたよ。

カーテンコールに出てきはったオーケストラの指揮者は、まあ若くてカッコよくて、雰囲気と立ち居振る舞いが10代のジャニーズみたいでした。

(500) Days of Summer


邦題:(500)日のサマー。
テレビの録画で。

なんてことない恋愛映画なんだけど、これを微笑ましいとみるか、バカバカしいとみるか・・・
今日のワタシは・・・
微笑ましいって思いました。
なんで今のワタシがそう思うのか自分でフシギだけど。

ありがち。でも微笑ましい。よくあるハナシだけど、結局こういうコトなんだよね・・・って思ったよ。
10代でも20代でも30代でも40代でも50代でも60代でも。もしかしたら80歳を超えても。
わかんないけど。

ああ、よくあるハナシで、これが恋愛で、これが人生で、きっとこれをずーっと繰り返すんだろうなあと。
もう昔みたいな恋はしないだろうなあって思っててもいまだにするもんね。
ってコトは、80歳過ぎてもするのかも。
しんどいような楽しみなような。
なんにもないよりは・・・したいかな。しんどくても。


2014年6月6日金曜日

サックスパーティ!in 大阪vol.2

「サックスパーティ」 ザ・シンフォニーホール。
サックスのラージアンサンブルです。

サックスらしい響きのいい曲と、やたらムツカシそうな指や特殊奏法満載のこれまたサックスらしいイケイケの曲と。
クラシックサックスが好きなヒトが、クラシックサックスを好きなお客さんのためにプログラムしてくれたって感じ。

ワタシは1曲目と最後のカルメンが好きだったなー。
カルメンはサックスパーティのために書かれた初演だそうです。
オペラ「カルメン」から数曲。いろんな編曲のカルメンがあるけどおしゃれ度はワタシが知ってる中では1番かも!
低音の活躍どころも多くていい感じ。

で、その編曲。カルメンの長生さんはメッセージだけだったけど、他ふたりの編曲者が客席に来たはりました。
アンコールの「カンタベリーコラール」を含めたらこの演奏会で3曲の提供があった柏原さんの曲はワタシもすごくたくさんやりました。
っていうか、サックス合奏でやったのは95%が彼の編曲。
今まではぜーんぜん分かんなかったけど、もしかして彼の編曲は響きがステキなんじゃなかろうか・・・
で、もしかして彼の編曲はアンサンブルがものすごく大事なんじゃなかろうか・・・
いやまあアンサンブルはいつだって大事なんだけど・・・

そんな事を思いながら聴いてました。
で、キレイなだけって面白くないなあと。遠慮しちゃ面白くないなあと。
もっともっと近寄って。
誰かがソロの時も遠慮し過ぎは・・・んー・・・
あー、ワタシもいろいろやってみたいなー。

で、今日の席はH列だったんだけど、もうちょっと後ろだったらまた違ってたのかな・・・
席の位置比べをしてみたい。

2014年6月5日木曜日

井上先生CD発売記念

フェニックスホール。井上先生と藤井さん。

サックスのリサイタルっていうよりサックスとピアノのデュオ。
どの曲も最初の音はピアノ。
ピアノの最初の音が聴こえてきた時からもうホント素敵。
原曲がサックス以外の曲の編曲は井上先生がされたそうです。

サックスはソプラノからテナーまで。
1曲目はプログラムになかったカサドの愛の言葉。
これがソプラノ。
サンサーンスは2曲ともテナー。
あとはアルト。
ソプラノっぽい音とかアルトっぽい音っていうのがあんまりなくて、どの楽器もすごく深く感じました。
曲の中で音色はいろいろあるんだけど、一貫して深いものがある感じ。

1部のサンサーンスで目の奥がジーンと熱くなって、フランクの第一楽章の終わりで落涙。
押し付けがましくなく、これみよがしじゃなく、でもドラマティック。
ああ、サックスって素敵だなあと。
アンコールはショパンのノクターン。
これまた最初のピアノで天に昇るような気持ち。途中からアルトサックスがジャジーな雰囲気でなんだか別の曲。楽しいやら泣けるやら。

1階のいちばん後ろの席に座ったんだけど、後ろから見てると客席には学生さんらしいヒトがいっぱい。
みなさん生徒さん達なのか一音も聴き逃すまい、見逃すまいって感じの微動だにしない背中。
彼らにとってどんな2時間だったんでしょう。
素敵な先生に習えて幸せだね。
ワタシは後ろでいまいちよく見えなかったのもあるんだけど、目を閉じて音楽に体を揺さぶられながら曲の世界に浸っていました。

井上先生の演奏は前に弦楽オーケストラとのコンチェルトに行ったことがあるんです。
なんだけど、不覚にも睡魔におそわれあんまり憶えてない・・・
一緒の舞台でコンチェルトさせてもらった事もあるんだけど後ろで聴くのと客席で聴くのとは違うだろうって事で、一度ちゃんと聴かなきゃって思って行ったんです。
でも一度じゃ済まないね。また行きたいと思ったよ。

ちょっと気になったこと・・・
1番うしろでもタンポが開閉する音が聞こえました。
やっぱりこれはしょうがないのかなあ。でも気になる。
聞こえてくると現実に戻っちゃったし、聞こえてる間はずっと気になる・・・んー・・・
近くの席に知り合いのリペアマンがいはったから聞いてみようって思ってたんだけど、そのまま帰ってきちゃった。
まあでも、ほんと素敵でした。次はいつかな。
こんな感じ。

2014年6月2日月曜日

ラ・プティット・バンド 大阪2014

ラ・プティット・バンド。ザ・シンフォニーホール。
J.S.バッハ:管弦楽組曲全曲演奏。

「たいへん、けっこうでございました m(^0^)m」
・・・って言いたい感じ。

よく「歌うように楽器を演奏する」って言うけど、ワタシは「しゃべるように演奏したい」と思ってます。
いろんな事を想像したり考えても、それは心の中にしまっておいて外には出さない。
ワタシは普段でも感情表現過多気味な気がするから、それを演奏でも同じようにしたくないなあって。
ワタシの気持ちなんて「こうなのよー!」って声高に言わなくても、周りのヒトはみんなお見通しでしょう。

もひとつ。
ブランデンブルグのフルートソロを聴いて思ったこと。
ソロだからって張り切って大きな音で吹くのはカッコワルイなって。
今日のフルートは全然前に出てなかった。
奥の方で鳴ってた。
奥だけど後ろじゃない。
他の楽器の音量とおんなじ、もしかしたら小っちゃいくらいだったかも。
でもちゃんと聴こえてた。
曲にもよるだろうけど、こういうのいい!
アンサンブルってコトですかねえ。

そんな必要ないのに大きい声でしゃべられるとやだし、何しゃべってんのかわかんないような小さい声も困るけど、普通よりちょっと小さめの声でしゃべられると「ん?」って聞こうとするなあって。
聞こえてきたものじゃなくて、聞こうとして聞いたことは、価値のあるものに思えるんじゃないかなあ。

古楽器演奏のバッハを聴いてそんなことを思いました。

あと、トランペットかっこ良かった!
3人。体は客席を向いてるんだけど顔は横向き。
楽器は右手だけで持って、左手は腰に当ててる。
まさに騎士!

それからティンパニのオトコノヒト。
男性はみなさん黒いスーツに黒い靴だったんだけど、ティンパニのヒトは鮮やかなサファイヤブルーのネクタイに同じ色の靴紐でした。
ステキ!

何回も何回も続いたカーテンコールに予定外(?)だったっぽいアンコールもしてくれはりました。
ホントはこんなホールじゃなくて、中央公会堂の中会議室なんかで聴きたかったかな。

こんな感じ。

2014年6月1日日曜日

ひとりでお酒

室内楽の演奏会に行ってきました。
編成が興味深かったし、共演者のひとりは前にコンサートで聴いたときに「すごーい」って思ったから楽しみにしてました。
でも・・・1部だけで帰って来ちゃいました・・・
前半はそうでもなくても、後半すごく楽しいコンサートっていうのがあるのは分かってたんだけど、どうしてもダメで・・・
1曲目から「やだ・・・帰りたい」って思ってその思いは2曲目も3曲目も消えることなく・・・
休憩時間に客席を見渡したらプロの演奏家の人もちらほら来たはったのが見えたんだけど・・・
みなさんどう思ったはったんやろ・・・こんな風に思ったのは私だけだったのかな・・・

今日は今年初めての夏日だそうで、昼間炎天下の下で練習した後だったから、ワタシ疲れてたのかな・・

まあ、こんな事ははじめて。
誰かと一緒だったら最後までいたのかもしれないけどひとりだったし・・・帰って来ちゃった・・・

コンサートでこんな風に思って途中で帰って来ちゃうのってなんともやるせない気持ちになるんだね。
初めて知りました。

ホントはこの後、うたの先生のステージを聴きに行くつもりだったんだけどすっかり元気がなくなり・・・
でもこのまま帰るのもなんだかな気分で、めったにしない外でのひとり酒。
アイスクリームと一緒に飲むのは辛口のショートカクテルが良かったんだけど「シェーカー振れる者がおりません」っていう残念さ・・・
まあでもアルコールのチカラは偉大だね。
すっかり酔っぱらって「そういえば明日も別のコンサートに行くんだった♪」って思い出しました。
で、昼間は仕事をしなきゃいけません。
音楽は素人だけど、ワタシもワタシの仕事ではプロです。
甘えてたら批判されます。今のご時世、すぐクビです。
ちゃんとしなきゃ。
こんな感じ。