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2015年8月28日金曜日

パルムの僧院

長年…もう本当に長いあいだ本棚の風景になってた本。
読んだのか読んでないのかわからなくて。
憶えてないんだから読んでないのと同じこと、と思って読みました。

中学生くらいで読む本だと思うんだけど、10代前半の少女たちはどういう感想を持つんだろう。
もし読んでたのなら、その頃のわたしはどう思ったんだろう。

今のわたしには現実離れしたおとぎ話のような…というより現実的な社会性のないレンアイモノに心が動かない…
若いファブリスの苦悩にまったく共感できない…あたりまえか…

……他の登場人物にもまったく共感できなかったって書こうとして…考えが変わった!
読んでるあいだは「フンッ」って感じだった気がするんだけど、読み終わって感想を書こうとしたいま、本当にそうなのか、と。

30代、物語の最後には40歳代だった夫人の、息子のような年齢のファブリスに対する思い。
恋の相手にパワーを出し尽くして。
頭が良くて、よく気が利いて。でも時々、仕事や対人関係で失敗して。
激しく思う恋の相手はいるけど、穏やかな愛をくれる相手も持っていて。

50代、物語の最後には60歳代だった伯爵の、夫人に対する思い。
分別がある大人の男の人。
揺るぎなく持ち続ける夫人への愛は、わたしが憧れるもの。
夫人への思いから、ときどき公私混同しちゃうのも愛らしい。

年寄りにばっかり共感してる訳じゃない。
クレリアの無茶な行動も、わたしには憶えがある!
あー、かつての自分を忘れてた!

その頃が懐かしいとか戻りたいっていうんじゃないんだけどね。
昔は昔。今は今。
ただ思い出しちゃったら、バカバカしいなんて言えないなあって。

読んでる最中と、読み終わって感想を書こうとした時とで心の中が変わりましたってコト。
…じゃなくて、感想文を書くのって大事だってコトかな?