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2015年7月20日月曜日

La traviata ~椿姫~

佐渡芸術監督プロデュースオペラ2015。
兵庫県立芸術文化センター 大ホール。
ヴィオレッタ 森麻季

宮本亜門さんのプロジェクションマッピングを使った魔笛が話題になってるけど、関西でも今日観れた!
プロジェクションマッピングって屋外で建物に投影してるのしか観たことなくて、舞台の演出で使われてるのは初めて観ました。
いやあ、素敵!
こんなの観ちゃったらもう大道具のセットなんて学芸会みたいに思えちゃうね。
最初はミュージカル映画みたいだなあって思ってたけどパーティのシーンは華やかさが増すし、恋人たちのお家にお父さんが来はる場面では物語を補完しててリアリティが増す感じ。
これからももっともっとこういうの観たいなあ。
ほんと新しい時代。

第一幕が始まったときは、まさに病気のヴィオレッタって感じの細くはかない声に心配になっちゃったけど、森麻季さんのせつない高い声はほんとにほんとになんてなんて!

最後、アルフレッドとヴィオレッタがふたりで歌うのは長調できれいなメロディなのに、悲しく聴こえるのはこの物語を知ってるからかなあ?
それともこれが歌唱力なのかな?

声楽のお稽古で知らない曲の楽譜を始めて見たとき、可愛らしい曲だって思ってたら、実はものすごく切ない歌だったのを知った時のとまどいを思い出した。
あれも長調だった・・・
長調は明るくて、短調は暗いって決め付けちゃだめだよね。
人の心も人生もそんな単純なモンじゃない。
音楽はそういうものの上に流れるモンだし。

椿姫を知ったのは中学生の頃に本で読んだのが最初。
ページ数の少ない物語なのにすごく感動したことを覚えてる。
その時は、アルフレッドのお父さんと婚約者がワルモノに思えたけど、ほんとはそうじゃないんだよね。
お父さんは良識と良心の人。
パーティで騒いで恋愛や噂話を楽しんでる人たちも、肝心なところでは良識を見せる人たち。
ワルイ人は誰もいない。
最後の最後、ヴィオレッタの歌と叫びで胸を突かれるけど、大人の悲しい恋愛のお話しなんだなあと改めて・・・

写真は、ロビーの豪華なお花と売店のショーケースにあったシャガール。